2011年4月14日木曜日

NetWalker PC-T1の使用感

シャープから発売されているNetWalker PC-T1を入手して利用しています。これは2010年5月に発売されましたが、そろそろ1年ほどになるので使用感などを書いておこうと思います。キーボード付きのPC-Z1は、2009年9月に発売されています。

操作について
PC-T1は、キーボードがなくなったため、タッチパネルでの操作が主となるでしょう。BluetoothやUSBで外付けのキーボードが使えますが、そのような環境ではノートパソコンやデスクトップパソコンが使えるのではないでしょうか。個人的にはPC-T1単体で利用できる用途に用いるのがストレスなく使えるのではないかと考えています。PC-Z1同様にオプティカルポインタがついていますが、こちらはカーソルだけを移動したいときに利用しています。
ソフトウェアが、Ubuntuのものなので、物理的なキーがほしい場合があり、そのようなときの操作にはひと手間かかります。たとえば、ウィンドウが画面からはみ出してしまい場所をずらしたいときに、Altキーを押しながら操作するのですが、Altキーを押した状態にするには、クリックボタンの設定を変更しておく必要があります。Ctrlキーを押した状態にするのも同様です。
キー入力は、SoftStylusというソフトウェアキーボードで行います。フルキーボードを親指で入力できるような大きさで使うと、画面のけっこうな領域を塞いでしまうことになります。小さめに表示して、スタイラスでつつくとよいようです。
ただ、端末からコマンドを入力したりしたいときに、スタイラスでつつくより両親指で入力したくなります。PC-T1には、matchbox-keyboardがインストールされています。これはレイアウトが変更できますので、親指入力できるサイズにしても画面の3/5くらいは隠れないで表示できます。エディタとしてgvimを利用すると、カーソルキーがすべて表示されていなくてもhjklキーでカーソル移動ができますので、プログラムのちょっとした修正ならできました。
とはいってもソフトウェアキーボードでの入力は(SoftStylus,MatchboxKeyboardのどちらでも)、ときどきXウィンドウを落としてしまうようで、入力したものがなくなってしまうことがありました。ほかの方のブログをみると、niceの設定で安定するという話もありますが、試していません。このようなわけで、長い文章を書いたり、プログラムを作ったりといったことはPC-T1単体では厳しいのではないかと思います。
外付けキーボードとしては、IO-DATAのCPKB/BTを用意しました。TABやALTも、キーに刻印はされていませんでしたがFNキーとのコンビネーションで入力することができています。SoftBank SELECTIONのSB-KB02-CPKB/BTにはちゃんと刻印がなされているようです。

バッテリーについて
PC-T1は、バッテリーが交換できるようになっています。型番はEA-BL14というものらしいです。空っぽになるまでどのくらい使えるかなどは、使い方によるのでしょうね。私は、最後まで試したことがありません。長距離バスの中で、DVDの映画を一本観ることは十分できました。アダプターに接続されていないと、ソフトウェアアップデートができません。アップデート中に電力不足になると困るので、このときは、付属のACアダプターを利用しています。それ以外では、Logitecのハードディスク・リーダ・ライタLHR-DS01U2に付属のUSBハブを通して充電しています。
携帯用の0.5AのUSB充電器ではだめでした。ただ、このUSBハブでも電流容量がぎりぎりなのか、充電しながらNetWalkerを使おうとするとバッテリーモード、ACモードに不安定に切り替わります。そのため、操作するときは、このUSBハブからの充電は行わないようにしています。

重さやサイズについて
重量は、300gを切るほどで重くはないです。片手で持っていても疲れるほどでもないでしょう。大きさも5インチの液晶にみあうサイズですが、厚さは近頃のスマートフォンなどと比べてしまうととても厚い印象です。ただ、実際に使用しているときは気になりません。携帯するときには、付属のケースに納めて、ディバッグのポケットに入れています。ポケットに入れて運ぶほど小型ではありませんね。ウェストポーチなら入れて運べそうです。

液晶表示について
くっきり綺麗ですが、タッチパネルを利用するので保護シートを貼ってべたべたさわりますので汚くなります。輝度は下げて利用しています。電源管理の設定で、画面の明るさを22%にしています。解像度は1024x600です。押すべきボタンが画面の外にでてしまうことがあっても「Altキーを押しながらのウィンドウ移動」で解決できますので大丈夫です。電子書籍ビューアの文字も綺麗ですし、ウィンドウをいくつも並べるような使い方はしないので、十分な解像度だと思います。


動作速度について
スタンバイからはすばやく起動しますので、思い立ったときに起動するという使い方ができています。
Web上の評判を観ていると「もっさりしている」という評価をしばしば目にします。それを改善するための工夫をみなさんしておられる様子です。確かに、ソフトウェアの起動時など、遅いなと感じる場面に出会います。私は、ubuntuに詳しくないため、大胆な対策は施していません(gnome環境をべつのウィンドウマネージャにするというのは大胆な対策と考えています)。あまり重量級のソフトウェアを動かす気がないので、不要なサービスを停止する程度で十分のような気がします。ウィンドウマネージャはgnomeをそのまま利用しています。OpenOffice.orgなどNetWalkerにインストールされているソフトウェアを活用したいなら、不満がでる動作速度かと思います。
再起動直後に端末を起動して、topコマンドを実行したときのメモリの状態は、以下のようです。
Mem total 482312k
Mem used 275344k
Mem free 206968k
Mem buffers 13872k
Swap cached 121876k


動画ビューアとして
あまり動画ビューアとしての利用はしていませんが、手持ちのDVDを活用研究を参考にしてHandBrakeで640x324pxで変換したものはスムーズに再生されました。ちなみにプリセットはiPhone&iPod Touchで、品質50%の指定をしました。YouTubeの動画は、YouTube XLにアクセスしてみることができましたが、ネットワークにつないで長々とみることはないでしょう。

画像ビューアとして
最初からインストールされているソフトウェアでも十分みることができますが、zip圧縮してアルバムにしたもののためにcomixを使っていました。写真の送り、戻しの操作が光学ポインタでは難しかったので、ビューアは自作して使用しています。自分で書いたものなので、できることとできないことを把握できているため、便利に利用できています。

文章ビューアとして
デフォルトで電子書籍ビューアがインストールされており、いくつか書籍もついてきます。ちょっと読んでみたところ、非常にきれいでとてもよいです。
テキストファイルは、シフトjisのものを開くことができました。起動して「開く」のボタンは紛らわしく、ファイルに保存されているものを開くときには、書庫メニューの「開く」から行います。ここで開く度に書庫に登録されるので何度も開くような文書を読むのにはよいですが、ちょっとしたメモを読むものとしては適していないと思います。今のところ、gvimをインストールしてテキストファイルを開いています。もっと便利なものを導入したいと思っていますが、現在はそのままです。最初からインストールされているgeditは起動が遅く、ちょっとしたテキストファイルを閲覧するためには、不適切かと感じました。最近、カレンダーメモのpythonスクリプトを書いたので、ちょっとしたメモはそちらを使おうと思います。
PDFの閲覧には、付属のドキュメントビューアを利用しています。NetWalkerのマニュアルのような大きなファイルは、ページをジャンプしたときの表示が追いつかずのんびり待つ必要があります。小さめのPDFファイルならよさそうです。Windowsパソコンで作成したパワーポイントのプレゼンテーションをPDFにしてNetWalkerに送り、移動時間に練習することができました。

音楽プレーヤーとして
Listen Music Playerをインストールして利用しています。MP3ファイルを再生させていますが、音質に疎いので、そのあたりの評価はできません。十分に聴けます。ただ、音楽聴くだけなら専用のメモリプレーヤーのほうが使い勝手はよいでしょうね。音楽を聴くだけのために余分なな電力を使っている気がして、バッテリー残量が気になってきます。音楽聴きながら電子書籍ビューアで本を読むとかしてみましたが、集中するならBGMはいらないと感じてそのような使い方はしていません。

ネット端末として
無線LANで利用しています。家にいる場合は、デスクトップパソコンやノートパソコンを利用しますので、無線LANで接続してネットを見るような利用はほとんどしてません。b-mobileのドッチーカを利用しているので、外出先ではこちらで接続しようと思いますが、USB端子に刺す手間が必要なのと刺したままでないと使えないことから、オンライン状態を継続的に利用することはないでしょう。ネットウォーカーとはいっても、iPhoneなどのように常時ネットワークに接続されている状態で利用するのは得意ではないと感じています。要所要所で、ネットワークを通して情報を引き出してローカルにキャッシュしたのちに、オフラインでその情報を利用するような使い方になるのかもしれません。実際のところ、私の場合、外出先においてはオフラインでの利用ばかりです。近頃は、モバイルルーターも出回っているので、こういうものを使うともっと便利になるかもしれません。有線LANで接続するためには、LogitecのLAN-TX/U2H3Bを用いています。3ポートのUSBハブ付がついているので、それにUSBキーボード、USBマウスを接続して利用することができています。ただ、供給電力の関係があるのでUSBハブで利用できるかは、接続するキーボードやマウスに依ると思います。

現在の利用スタイル
ノートパソコンなどで調べものをして、テキストや画像、地図画像をダウンロードし、NetWalker用のメールアドレスに添付して送ってしまいます。予定の書かれたメールはそのままNetWalker用のアドレスに転送してしまいます。NetWalkerでメールを受信したら、とりあえず安心です。主に使うのは、お知らせメールを転送したり、行きたい場所の地図画像を開いたりすることです。事前に調べるので、だいたいは頭にはいっているのですが、忘れてしまったときのためにNetWalkerに転送しておくと安心なのです。以前は、メール内容などをテキストファイルにして電子辞書に転送しておいたのですが、NetWalkerでは、テキストファイルに限らず、いろんな種類のファイルを送っておけるので便利になりました。あとは、家でノートパソコンを閉じた後に、寝床でWebを眺める程度です。


まとめ
NetWalker PC-T1には、キーボードがないので、データを作成するというよりは、データビューアとして主に利用しています。

ネットワークの利用は、NetWalker自身では無線LANのみなので、ネットワークは無線LANが利用できる場所でのデータ取り込み口と割り切って、ローカルに保存したデータを閲覧するスタイルで使っています。そのため、オフラインで利用できるソフトウェアが便利です。

PythonとwxPythonを使ってのGUIのスクリプトが書けますが、Windows環境で作成して、NetWalker上で実行できます。これだと、クロスコンパイルといった環境を構築する必要はないので、気軽にプログラムが楽しめます。

Ubuntu(Linux)搭載の小型モバイル端末というシリーズは続けてもらいたいなと思います。

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